プロローグ

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『はい、実はわたくしは、姫様の命と同じものなのです。老化を防ぐ方法も手に入れております。人か猫の身体、いつでも入れ替えることはできまする』  あら、便利ね。  じゃ、人と話す時は、ヒト形に変えてね。  その方が自然でしょ?  それに、人と話ができないと思うのよね、猫だから。 『はい、仰せの通りに』  ところで、なぜ、わたしがクレオパトラなの? 『一部の人間の魂は、転生することが可能なのです。クレオパトラ様はその一部に、選ばれなさった。という事情でございます』  へー、そうなんだ。  でもそれじゃ、今じゃなくても良かったんだよね? 『はい、左様で。実は姫様が、今のようにお話しをできる状態ではなかったので、見送っていた次第で』  ふーん、それじゃ、虫とかに生まれ変わっていたのかな? 『はい、左様で』  じゃ、猫になって、なんとかヒトと同じようなものになったという訳なの? 『そうです。人か猫に生まれ変われば、条件は満たされたのです』
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