プロローグ

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 でも、なんで今なの?  もう少し前でも良かったじゃん。 『はい、姫様の意識を読み取るまでに1年かかってしまったのです。姫様は、今2才であらせられます。産まれてから一年間は、人のこころか猫のこころ、どちらかの選択権が生じてしまうのです。ですので、姫様が生まれて、認識できるまで、2年かかったのです』  ふーん、理解できたわ。  あなたがわたしを守ってくれる。  クレオパトラの生まれ変わりとして。  ここまでは、わかったわ。  で、あなたとピラミッド、誰が作ったの? 『はい、クレオパトラ様、貴方様の能力で作られたのです』  えー! 結局は、わたしが自分のために作ったの?!  そんな高慢、許せないわね! 『あ、そういうことをおっしゃられては…』  そうよね、あなたには酷なことだったわね、ごめんね。 『あ! いえ、ありがたき幸せ!』  でも、その頃の私って、殺されたんじゃないの?  あ! 自殺したんだっけ?  ご主人様が言ってたけど。 『姫様は殺されました。しぶとく生き残る方でごさいました。その前にわずかな、わたくしの力で、姫様の魂を認識する力だけ得たのです。その後は、時間をかけて、姫様の想いを実現いたしたのです』  それじゃ、土台はわたしが作って、  あなたが積み上げたのね!  すごいね!スフィンクス!大好きよ! 『ははーっ!ありがたき幸せでございます!』  ところで、お腹が空いちゃったんだけど、  食べるものって、もらえないかな?  キャットフードでいいので。 『お安い御用で』  あ! 待って!  泥棒はダメよ。  ちゃんとお金を払って、買ってきてね! 『はい、承知いたしました。すぐに衛兵に金貨を売らせ、この国の通貨に替えます。少々お時間を頂いてもよろしいでしょうか?』  一時間くらいならいいよ、できるかな? 『はい、30分ほどお待ちを』  あ、その衛兵って、どんな人、連れて来てくれる? 『は!心得ました!アントニウスこちらへ!』  アントニウス?聞き覚えがあるわね?  あ、あの人ね、まぁー!いい男ね!  ね! ね! ヒト形! ヒト形! 『はい、少々お待ちを』
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