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アルフレードなら、ディーノと呼ばれても不思議はない。
だが、高慢なまでに迷うことなくこちらを見据える面持ちは、何故かアルバムの写真で人懐こく笑っていた男の子とは良く似た別人に思えた。
「ギタ……いや、マルゲリータ・ヴィットーリという女性を探している」
マルゲリータ・ヴィットーリ。
これは、確かに七年前に亡くなったパパの一人娘、「ギタ」の本名だ。
しかし、彼の口を通すと、私という複製品の原型ではなく、全く無関係な場所で今もなお生きている女性に思えた。
つと、こちらを見詰める漆黒の瞳に、ガラスが一度に割れるような震えが走る。
それでも、彼の声は確固として言い切った。
「婚約者なんだ」
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