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「ちゃんと見る目を養えよ。
テキトーな男にちょっといじられただけで、本気になるなんて、
まだまだだな」
「テキトーな男って、森川くんのこと?」
声が震える。
「見てただろ?
旅行で百田さんと一緒だったところ。
それに、取引先にも女はいるしな……
どう見てもテキトーだろ?」
「なに、言ってんの?」
そんな自虐的な言葉、森川くんから聞くのは初めてだ。
「お前を落とすの、ちょっと楽しかったけど、
俺の勝ちってことで、終わりにしよう」
森川くんは、きっぱりと言った。
終わり……?
ってまだ始まってもいないのに……?
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