第1章

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私と美香は、同じショッピングフロアに勤めている。 美香は1階の化粧品売り場。 私、鈴木里香は、地下の洋菓子店。 フロアもジャンルも違う私達が知り合ったきっかけは、私が美香の化粧品売場に買いに行った事。 毎日、フルタイムの仕事に、帰ったら、食事の支度に洗濯。 子供もいない、共稼ぎで、旦那の仕事は朝早くに、夜遅い。 必然的に、家事は、私が一手に引き受ける事になる…。 気が付けば、旦那に見向きもされない所帯じみたおばさんになっていた。 ある日、ふと鏡をみたら、ゾッとした。 フロアにいる、大口開けて、ガハハ~!と笑うパートのおばさんと一緒の顔つきをしている気がして…。 女が女として終わるのは、年齢じゃない。 綺麗でいようとする事、恥じらいを忘れる事で、女が終わるのだと痛感した。
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