私のお父さん

3/5
59人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
「おはよう、茜」 「おはようございます、お父さん」 私の名前は如月茜(キサラギアカネ)10歳です。 まるで写真みたいに綺麗な焼き目の着いたパンケーキを持って出てきたのは私のお父さん。 名前は如月絢斗(キダラギアヤト)です。 白いカッターシャツに、銀の指輪の着いたネックレス。 それからカーキーのパンツと、シンプルだけど身長が高いからまるでモデルさんみたいで顔も髪型も芸能人みたいですごくカッコイイ人。 お父さんは、私の頭を軽くなでると背に手を置いてテーブルへと誘導した。 「さあ、冷めないうちに食べようか」 「はい」 白のツルツルとして冷たいイスに座って、目の前にお父さんが座ってから二人揃っていただきますをする。 ふわふわのパンケーキに、黄金色の蜂蜜をたっぷりとかけて一口頬張れば優しい甘さが口いっぱいに広がる。 ソーセージも目玉焼きも、それからサラダもどれも美味しくて食べ勧めていると着けていたテレビの音が耳に入った。 『続いてのニュースは、未だ犯人の特定ならず………少女誘拐事件についての………』 チラリとテレビを見れば、アナウンサーの人が時々目線を下に向けながらニュースを読み上げる。 内容は、女の子が誘拐された事件のこと。 今、ずっとこの事件がテレビで流れている。 10歳の女の子が誘拐されたこの事件、テレビには誘拐された女の子の写真が映し出される。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!