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彼がその100発の弾丸を撒き散らしてくれたお陰で、自陣は抑え込まれてしまっていたのだ。
だが、その横暴も一時、中断される。
リスポンまでの15秒――反撃のチャンスだ。
『行け! 行け! 行け!』
自陣の他の仲間達が、一気に攻めに転じる。
――そして、コストが寄っているのはシオンも一緒だった。
「――1つ……2つ――」
慌てふためく、敵陣をシオンは次々と撃ち抜いて行く。
冷静に、的確に――。
セミオートマチックの連射性を生かして、クリティカル(ヘッドショット)を重ねていく。
動きが早いのなら、胴体に当ててやれば、仲間のキルをアシストできる。
大分、【戦力ケージ】が片寄り始め、勝利がまじかに迫っていた。
――だが、戦場では状況など、簡単にひっくり返ってしまうものだ。
既に、この数分間で2転、3転としている。
勝負を分けるのは、
『ライトマシンガン、リスポン! スポットした!』
勝たんとする意識。
仲間がスポットした情報はチーム内で共有される。
即ち、
「――ナイス!」
シオンにその位置が割れる。
高所に位置取りをした、高火力を持った優秀な狙撃手(スナイパー)。
敵の正確な位置が分かれば、圧倒的優位に立つ。
拡張マガジンの8発を撃ち尽くし、リロード。
戦力ケージは、粗、青。
あと数キルで、勝負は決まる。
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