プロローグ

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『っ、グレネード!』 仲間の誰かが、キルされる寸前に高威力の手榴弾を投げた。 同時に戦場から掻き消え、互いチームの残存ケージを擦り減らす。 が、 「――居たぞ! スナイパーだ!」 敵も勝つのに必死だ。 入り組んだ、そして限られた空間でのスナイピングは、適切な箇所が限られる。 だからと言って同じ位置に居続ければ、当然こうなる――という事は、彼女も承知している。 「スポッ――とぉ!?」 予め、階段付近――丁度、敵の足元にセンサー地雷をセット済みだ。 感知範囲に足が僅かに触れた瞬間に起動した。 携行上限の4つ全てを配置し、連鎖爆発。 重装備対策で、些か過剰ダメージになったが――それが、ラストキルになったようだ。 戦力ケージが青一色に塗り潰され、勝利宣告ウィンドが表示される。 チーム戦績評価A。 個人戦績評価――堂々のS。 獲得G350000。 ラストキルボーナスとして、獲得額に5万の上乗せさせたが、――保険の地雷オチとは、実感が無いが……貰えるものは貰っておく方針だ。 『――おぉ! 勝った! 俺、Aだ! っしゃー!!』 『あれ、オレ、B? 結構、頑張ったよ?……あれ?』 『あのライトマシンガンなんだよ。すげー狙われたんだけど……』 『リスポーン、はよしてぇ~』 各々、解散までの余暇をチャットで埋める。 この時間は、各自の意思でスキップ出来ない。 大抵は、互いの戦績を賛美したりキャラクターアドレスの交換をするものだ。
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