ピンポンダッシュ

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なんなの?卑怯者め。でも、それって私、逆に見張られてるってことじゃない? 今日は居るみたいだから、やめておこうと。 そう考えると、ますます怖くなった。 夕方、私は食後に眠くなってしまい、ソファーでうたた寝をしていたようだ。 突然のチャイムの音に飛び上がった。 私は慌てて、モニターをオンにして外を伺った。 「ひぃっ!」 私は驚いてひっくり返ってしまった。 画面の下から、黒髪が覗き、そして血走った目が大アップで映し出されたのだ。 「ピンポンピンポンピンポン、ピピピンポピンポピンピポンピンポピンポ」 突然狂ったようにチャイムが連打された。 画面では長い髪の女が狂ったように、髪を振り乱しながらチャイムを押している。 目を見開き、口は大きく開き、よだれを垂らさんばかりに笑っている。 「何なの?誰っ!」 私は、腰が抜けたまま、キッチンの床に座り込んだまま叫んだ。 すると一瞬チャイムが止まった。 「ぴぃんぽぉんだっしゅじゃあな~いよぉ~?」 ねっとりとした気持ちの悪い声だった。ちょうどボイスチェンジャーを通したような。 あははははと狂ったように笑うと、またチャイムを鳴らしはじめた。 「ウルセエな、何やってんだ!このあまっ!」 ついに耐えかねて、隣人がドアを開けて怒鳴りつけている。 私は、一瞬隣の男性が救世主に思えた。その女を追い払って。お願い。 次の瞬間、女は振り向きざまに、男を刃物で刺した。 「うぎゃあ、な、何すんだ!」 男は後ずさりながら腹を押さえた。 女は素早い動きで、男の腹部をもう一度刺すと、すかさず胸も刺した。 「きゃあああああ!」 私はモニターの中の惨劇を見て、足がガタガタと震えた。 た、大変。きゅ、救急車、呼ばなきゃ。 震える手で、警察と救急車を呼んだ。 一通り男を刺し終わり、満足した女は、再びインターホンを覗き込むと、またチャイムを押し始めた。 「ピンポンピンポンピンポン、ピピピンポピンポピンピポンピンポピンポ」 血まみれの手で押し続けるから、カメラ部分に鮮血が飛び散った。 「や、やめて・・・・。」 私は震える声でやっと搾り出した。 笑う、笑う、笑う。狂ったように笑い、押し続けられるチャイム。 あまりの恐怖に、私は失神してしまった。
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