第1章

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驚いた。 髪を金に染めて、黒を基調とした服装を纏い、動くたびにジャラジャラと鳴るアクセサリーをつけた二十代の男が立っていた。 直感的に襲われると意識した。 もはや死語になったオヤジ狩りの単語が浮かんだ。 「結城さんですか?」 外見とは違い、その若者の口調は優しかった。拍子抜けして返事が一呼吸遅れた。 「あっ…はいそうです」 「一ヶ月前に同じ階に越してきました中原公志です。これ、良かったらどうぞ」 そういって、中身が入った紙袋を差し出した。 受けとると、中原公志という若者は一礼してその場を後にした。 部屋に戻って、とりあえず中身をみてみると、また老舗有名店の菓子折りだった。 先程の前嶋結乃と違うのは、ケースに入ったCDも一緒に入っていた。 とりあえず、聴いてみることにした。
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