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「ええ、まあ・・・」
カワウのレミは、少しずつ空気が抜けていく黄色い巨大風船の下のもがく子猫達が、気が気でなく見守りながら言った。
「飛んできた風船が萎んじゃって、交互に息を吹き込んで膨らませたよね?
その時のゴムの表面の翼で触った感覚で、風船の性質が解ったんだ。
あれ?レミ、君、風船が大嫌いじゃなかったっけ?」
「え?」
「『え?』じゃなくて、君、風船が君の仲間を・・・」
「あの風船と、その風船は違う感じだ。
そこの風船は、あくまで『アドバルーン』。『気球』だよ。『アドバルーン』には罪はないよ。嫌いなのは、フツーのゴム風船!!」
カワウのレミはそこまで言うと、嘴の下の喉袋を膨らませた。
「でも、しっかし、なかなかあの風船、高度が下がらないねえ。ちゃんと空気が抜けてるのかなあ?
うーん!!じれったい!!」
ばさばさばさっー!!
トキのレミは、速攻に巨大な風船に突っ込んで行き、
「にゃんこちゃん!!ちょっと失礼しまーーす!!」
と、先にセキセイインコ達が空けてくれた吹き口と膨らんでる風船本体の付けねの間の空気が漏れている穴に、脚の鉤爪を突っ込み、
ぶちぶちぶちっ!!
と引っ掻き、ゴムを破いて穴を拡げた。
ぶおおおおおおおおーーーーーー!!!!
「?!!!」
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