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ぷしゅーーーーーーー!!!!ぶおおおおおおーーーーーー!!!!しゅるしゅるしゅるしゅるしゅるしゅるーーーー!!!!
「サクーーーーーーー!!」
風船の拡げた穴から脚の爪が離れないまま、穴から勢いよく空気が吹き出てロケットよように吹っ飛んでいく巨大な風船に引っ張られて、トキのレミは、大空を右往左往に飛ばされていった。
「うわーーーーーー!!目が回るーーーー!!!!」
「サクーーーー!!脚を放せーーーー!!!!」
「そんなこと言ったっ・・・」
がしっ!!
「ひいっ!!」
一瞬、子猫の前肢がトキのサクの脚に取りついたとたん、反応で退けたと同時に鉤爪が風船から離れた。
・・・よし・・・?!ぶわっ・・・!!
ぶおおおおおおーーーーーーー!!
吹き出る巨大風船からの空気の風圧で、トキのサクの身体はバランスを崩して一回転したが、すぐに体制を取り直して、直ぐ様カワウのレミの側に戻ってきた。
「トキちゃん、大丈夫?!」
セキセイインコ夫妻とスズメのチュコも、トキのサクを心配してやって来た。
「全くムチャしやがって・・・」
「すいません!!でも結果オーライでしょ?風船がこんなに萎んで・・・」
「萎んだって、萎みすぎだよ!!あのままじゃ、子猫達が地面に叩きつけられるぞ!!」
「わぁーーーなんてことを!!」
・・・・・・
・・・・・・
ぷしゅーーーーーーーぶおおおおおおーーーーーー!!!
「わぁーーー堕ちる堕ちる堕ちる堕ちるーーーー!!」
「ウルセーーー!!ポン!!堕ちる堕ちるって言うなーーーー!!」
「うわーーーー・・・風船がこんなに萎んじゃったーーーー!!!」
「にゃーにゃー喚くなパン!!風船が空気が抜けりゃ萎むのは当たり前だーーーー!!」
風船の紐の先を爪に食い込ませて、必死に離すまいと堪える子猫のピンは、飛び回る風船に振り回されて怯える兄弟に怒鳴って宥め続けた。
・・・本当に風船はこんなに萎んじゃっているし、この高度から墜落したら・・・一か八か・・・?!
子猫のピンは、風船からの脱出作戦を思い付いた。
・・・これは、一歩間違うと・・・でもやるしかない・・・!!
「みんなーーー!!」
「んーー?」
「にゃあ?」
「この風船から離れろ!!」
「にゃんですってーーー!!」
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