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「着いたぞ!!ここだな・・・?」
「ひーっ!ひーっ!重かった!!」
子猫を背中に乗せて飛んでいたカワウのレミとトキのサクは、『片の荷』が降りたとたんはあ!はあ!と舌を垂らしてペタンと倒れてしまった。
「ふーーっ!ふーーっ!ふーーっ!ふーーっ!」
子猫の背中を持ち上げて飛んできた、インコ達とスズメも嘴の鼻の孔を孕ませて荒い息でして、その場でへたばった。
「ユタさーーん!!ごめんなさーーーい!!」
「帰ってきたよーーー!!」
「もう無茶なことはしませんからーーー!!」
川沿いの公園土手で、3匹の子猫を探し歩く2匹の成猫達を見付けた子猫達は、一目散に駆けていった。
「ピン!ポン!パン!無事だったのねーー!!心配したわーーーー!!」
雌成猫のシェリーは、感無量になって子猫達へ駆け寄りヒッシと抱き締めておいおいと泣いた。
「再会か・・・いいねえ。」
「うん・・・!!」
その光景を見詰めていたトキとカワウと小鳥達は、その光景に目頭が熱くなっていた。
「ユタさーーーん!!ごめ・・・」
バシッ!!バシッ!!バシッ!!
3匹の子猫達は、成雄猫のユタに向かったとたん、それぞれにユタは力任せに猫パンチをくらわせた。
ドスッ!ドサッ!ドサッ!
3匹は、揉んどりうって地面に転がった。
「な、なにするんだ!!この子猫は、力を合わせてここまで帰ってきたんだ!!」
カワウのレミは、どら猫のユタの仕打ちに思わず逆上した。
「やめろ!レミ!!ほっといてやれ!」
トキのサクは、くってかかるカワウのレミに話した。
「そっか・・・ごめんな、子猫達。もう立派な『成猫』だ。このチームワークを大切にして、これからの厳しい『猫生を』生きろ!!」
「はいニャ!」「うんニャ!」「解ったニャ!」
成猫のユタとシェリーは、3匹の子猫を宥めては草原の中を一緒にはしゃいだ。
「良かった良かった・・・」
「めでたしめでたし!!」
カワウのレミとトキのサクは、久しぶりに良いことをしたと優越感に浸っていた。
「あっ犬ーー!!」
「襲われる!!」
「きゃっ!!逃げろーーー!!」
セキセイインコ達とスズメは、草場の陰で隠れていた1頭の野良犬を見付けたとたん、必死に逃げて飛んでいってしまった。
「レミ・・・あの犬・・・」
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