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「晴れてるねぇーーー!!サクよお!!」
カワウのレミとトキのサクは、秋の匂いを運ぶ風を翼で仰いで、気持ちよく飛んでいた。
「あれなあに?」
「だから、晴れてるねぇって。サクよお。」
「だから、あれなあに?」
「おい!晴れてるねぇって言ってるだろ?!サク!!」
「そんなことより、レミ!!前見ろよ!!あれ!!あれ!!」
「うっせーな!!何だよ!!・・・あっ?!」
みゃーーーーーー!!
みゃーーーーーー!!
みゃーーーーーー!!
「何で子猫が空を飛んでるんだ?」
レミは、目をぱちくりさせて信じられない顔をした。
「レミ!ほうら!猫が・・・」
「猫がって・・・サク!!可愛そうじゃねえか!!みゃーーーみゃーーー鳴いて苦しがってるじゃねえか!!」
「別にいいじゃん!!トキは野良猫に襲われることあるじゃん。ほっとけほっとけ。」
「サク!!お前はそこまで薄情なのかよ!!ここで絶交・・・」
「絶交とか物騒なこと言うなよ!!すまん!すまん!」
みゃーーーーーー!!
みゃーーーーーー!!
みゃーーーーーー!!
「うわ・・・やっぱり可愛そうだ・・・!!ごめん!!レミ!!僕が悪かった!!でも何で子猫が・・・あ。そっか!!」
トキのサクは、首にかけていた風船の栓見つめて言った。
「こりゃ、でっけぇ風船だなあ。何で捕まってるんだ?あの子猫達は。」
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