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「なんだーーい!!こいつら、けっこう楽しんでるじゃんかよ!!」
トキのレミは、大きな風船を掴んでみゃーみゃーはしゃいでいる子猫達の姿を見て言った。
「おい!よく見ろよ!!あの白猫!!今にも下に堕ちそうだぞ!!それに、あの黒いの!!ブルブル震えて可愛そうじゃんか!!」
「じゃあ、あの風船の真下にいる黒いのは?」
「げっ!!あいつ!!爪立てて風船に触れたら・・・」
「ぱーーーんっ!!!!」
「驚かすなよ!サク!!でも、どうするんだよ・・・!!」
「だーかーら!!嘴か脚の爪で風船を引っ掻いて・・・」
「パンクさせて墜落死させる気かよ!」
「ちゃう!!風船の頭の先っちょか、吹き口の結び目の先っちょをプスッと差せば、パンクせずに風船の空気が抜けて、どんどん高度が下がればそうすれば無事に子猫を救出出来るよ。」
「なるほろ。頭いいなサク!!ただの絶滅種じゃないね!!」
「『絶滅種』ってのは余計じゃないの?!」
「そう、風船みたいに膨れるなよ。サク。で、誰がやる?俺、間違って嘴が尖ってて風船突っついて割りそうで・・・」
「僕も・・・嘴細いけど尖ってないし。あ、爪があるか。爪不器用だから、ぱんっ!!!!しそうで・・・」
「何言ってるんだ!!サク!!君が提案したんだろ?!お前がやれ!!」
「いや、レミ!!君が適役だよ!!」
「お前!!」「君!!」
遂に、2羽が空中で喧嘩しているとこに・・・
「それ、僕達がやるよ!!」
「あれ?」
「可愛い!!」
そこにやって来たのは、黄色と水色のセキセイインコだった。
「始めまして!!僕ら籠抜けインコのピータンと、」「ピーコでーす!!」
「あれ?ピーコとやら?片目は?」
カワウのレミは、雌インコのピーコの片目が潰れているのに気付いた。
「ごめんね。これ、長年籠に入ってストレスで・・・」
「だから、僕ピータンが毎度フォローしてる訳さ。で、あの子猫助ける為にあの風船を割りゃいいんだよな?」
インコ達は、今にもずり落ちそうになってもがく三匹の子猫が紐にぶら下がる巨大な風船を見て言った。
「ちゃうー!!風船の空気を抜いて、高度下げたいの!!」
「私やるーーーー!!!風船大好きーーーー!!」
「こらっ!ピーコ!!隻眼なのにターゲットは絞れるのかよ!!」
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