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それから、二人は湿った畳の上に転が
って、相変わらず互いの唾液を交換しあ
い、もどかしげに服を脱がしあうのだっ
た。
僕は、もう無我夢中だった。男の指先
から伝わる新鮮な感触!
これが、女体か!
今更ながら、こんな良いものを知らず
に死んだ自分を馬鹿だと蔑んだ。
彼女の胸は、少し平板なのが残念だが、
この際、そこは割愛しよう。もっと重要
な所があるのだから。命と神秘の源泉。
天の岩戸の磯さざえ。
そうだ。とうとう、彼氏が彼女のパン
ティに手をかけた。そして、荒々しく中
に手をつっこむと、むんずと固い物を掴
んで引っ張り出した。
そう、固くて長い物を・・・。
え…?
最近の女の子には、ついているのだろ
うか? 童貞の僕には、デフォルトがわ
からないから、戸惑っていると、彼氏の
方は、それを一気に口に咥えこんだ。
そして、蕎麦をすするような音を立て
て奉仕した。
僕は、もう、何か恐ろしい手違いでか
なりおかしなことになっていることに心
を痛めながらも、憑りついた肉体から、
抜け出す方法を知らないので、もはやな
す術がなかった。
「おらおら、もっとしっかりやれ!」
彼女は、いや、もう一人の彼、つまり
カワイイ方の彼は、急に声が野太くなっ
て、僕が憑りついている彼の頭を鷲掴み
にして乱暴に股間に押し付けた。
僕の憑りついている彼は、叩かれる度、
汚い言葉で罵られる度に興奮し、むせび
泣き、子猫の鳴き声のような声で悦ぶの
だった。
僕は、童貞を捨てる前に処女を奪われ
た。しかも死んでから。きっと、もう成
仏はできないだろう。いや、そもそも、
僕は、この彼からどうやって抜け出せば
良いのか。冊子を読むこともできない。
どうして、こんなことになったのか。
全く、本当に誰か、教えてほしい。
(了)
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