小噺(こばなし)・引越しそば妄騒記(もうそうき)

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「ゲホッ!! な、何この紅茶の味っ!!  オ、オオオオオ、オエエエエエエエエエッツ!!」  イザベラ夫人、激しく咳き込みながら、涙と鼻水を流しながら、その場に倒れ込んでしまいました~っ。 「夫人よ、もし今自白すればワシの特効薬で解毒しても良いが、如何かな?」 「ぎょ、ぎょへえええええぼええええええええ!! しゅ、しゅる!!  自白しゅるから、殺さないでええええっ!! らめえええええええっ!!」 「しかと聞いたな?」伊右衛門殿、庄三郎、共に頷く。 「……しかと効いたな。庄三郎よ」 「へ? 何が?」 「お主の商売道具借りたぞ」 「あ、それじゃあこれは?」 「おろしわさびじゃ」
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