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「どうしたというアルか? せっかくこれからちゃんぽんでも食そうかという時に……」
ブツブツ言いながら、オランダ商館に足を踏み入れた陳先生。
「な、なっ!? ジェローン様、どうなさった!?」
「陳先生! 拙者もよく分からんのだが、つい今さっきからひどく苦しまれておるのだ。まさか毒でも盛られたのではあるまいか!?」
陳先生は、胸元から小さな巾着袋を取り出すと、顔面蒼白で冷や汗をかき、息も絶え絶えなジェローン氏の口元で幾種類かの丸薬を潰し、油紙の上に乗せてサラサラと歯の隙間から流し込む。
そして、ジェローン氏のみぞおちを押さえると
「インシュウシンカンサンゴクシン! ナンボクチョウズイトウゴダイ!!
ホクソウミンシン・チュウカミンコク! チュウカジンミンキョウワコク!!
ハッ!!」
とまじないの様な物を唱え、患者を寝かし付けたのだった。
「うむ、これでもう大丈夫。命に別状はなかろう」
「ど、どういうことですか?」と夫人。
「毒じゃ! ジェローン様は、毒を盛られたのでアル!!」
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