8人が本棚に入れています
本棚に追加
「ゲエジンさん、アンタ今日はツイてるね! あ、ノってるね!!
お近付きの印と言っちゃなんだが、俺っちのそばを食いなっせ。
食いねえ、食いねえ、そば食いねえ」
庄三郎殿は、天秤ばかりに掲げた小箱から、和紙で包まれた何やら粉を吹いた物体を取り出し、ジェローン氏の前にずずずずいっ、と差し出すううう。
「お、お、オー!?
なーんですかー? この緑色の怪しげなるパスタは!!」
「へいっ! こいつは、俺っちが江戸で修行して手打ちしたホンモンのそばでえい。ぱすたとかいう、南蛮の麺料理みてえに、ごったごたした煮汁をかけて元の味を分からなくするってのは、ねえ? 粋じゃないってばあよ」
ジェローン氏、グリーングリーンな初めて見る「ジャポネーゼ・パスタ『ソバ』」におったま仰天、ビックリ栗きんとん!
(こ、これは、まさかパスタの中に緑色のヒキガエルか、はたまたそこいらに生えている雑草でも練りこんでいるのでは、あるまいか!?)
ジェローン氏、脳内警報発令中!!
(い、いや……野蛮なジャポネーゼは、開国まで爬虫類をも食していたそうでは、あーりませんか! ということは、へ、へ、蛇のパスタ!?)
最初のコメントを投稿しよう!