時の郵便局

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  もしかしたら、十年間、毎日泣きながら帰りを待っていた私達への神様からのプレゼントなのかも、そんな事を妻は考える。  暫し二人は無言で食事を進めると、何か思い立ったのか夫が急に口を開いた。 「よし、明日行こう。今日一日考えて、それで考えが変わらなければ明日行こう。……真相は行けばわかるだろう。それに料金は要らないって言ってたしな」 「うん。……行きましょう。このままじゃ気になって眠れないしね」  二人は目を合わせたまま頷き合うと、間もなくして、いつも通り出勤して行った。   ***
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