D・M・A

12/24
前へ
/1381ページ
次へ
「ぶもっ!ぶもっ!ぶもっ!」 ミノコの乱打が男の剣を砕き、身に纏った鎧を砕き、殴り飛ばす。 「ネスカフェっ!!」 どんっ!ちくり。 何事か叫びながら中年の女が手に持った細身の剣で背中を突いた。と思う。刺さってないんでミノコにもよくわからない。わからないままに適当に腕を振り回し、細剣諸共女を殴り飛ばす。 「ぶもっもっもっもぉっ!! 我を誰だと思っているぅぅっ!! 誇り高き上級魔物っ!ミノタウロスのミノコオだぞぉっ!!」 久々に解放された、ミノコ(雄)モード。言葉と共に変形する身体。豊満な胸は極厚の胸筋に。どちらかといえば細かった四肢は野太く。顔つきすらも雄のそれ。 旅の最中はその姿や魔力が他の魔物を呼ぶことを恐れてめったに使えなかったが、もうその旅も終わった。 久しぶりに解放できる喜びに全身の力が荒ぶり、風を起こす。 「ぶもぉぉぉっ!! ふわははははっ!! ミノタウロスモード全解放は勘弁しといてやるよぉぉっ!!貴様ら下等な人間共には使うまでもないからなぁぁぁっ!! ぶぅぅぅもぉぉぉぉぉぉぉっ!!」 砲弾のように固めた雄叫びを放つ。 直撃。 背後の林をなぎ倒し、大木をぶち折り、なおも勢いは止まらず、吹き飛んでいく中年女。 「ぶもっもっもっもっもっ!!」 高らかに笑う。
/1381ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2471人が本棚に入れています
本棚に追加