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「わかりました……」
私が頷くと、服部さんの優しい手のひらも、腕も離れていく。
一瞬、
一人その場に取り残されるような孤独が
頭をよぎった。
シンと静まった車内に、私が鼻をすする音が一度響く。
「帰ろうか」
何事も無かったような服部さんの優しい声がした。
これで、終わりじゃない。
だけど、もう服部さんから誘われることはないと思う。
これで、良かったんだよね……。
私の気持ちが、まだ森川くんに向いているんだから。
これでいいはずなのに、今はただ、胸が痛くて仕方なかった。
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