178人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
「服部さん……?」
無言のままでいるのに、耐えられなくて、声をかけると、
服部さんはふぅっと大きくため息をついてから、顔をゆっくりこちらに向け、私と目を合わせた。
服部さんの表情はまだ硬くて、不安が募る。
「あ、あの。さっき言ったこと、迷惑なら忘れてください……」
「イヤ……。
迷惑ってわけじゃないんだ。
……だけど、戸惑ってる」
「……戸惑い……ですか」
付き合って欲しいって言ってくれたのは、服部さんだ。
なのに、どうして……。
「田口さんと付き合いたいと思っているのは確かなんだ。
だから、さっき言われたことは、すごく嬉しいはずだったんだ」
服部さんは言葉を選びながら静かに話し始めた。
最初のコメントを投稿しよう!