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「さっき田口さんは、『浮かびたい』って言ってたよな?」
私は小さく頷いた。
滝の音で服部さんの耳には届いていないと思っていたけれど……。
「俺、田口さんが変わろうとしているのを応援したいとは思うんだ。
……だからこそ……
俺でいいのか?って思う」
服部さんでいいと思ったから
『付き合って欲しい』って言った。
社員旅行の日からずっと服部さんを見てて、
今の服部さんなら、私の心を預けても大丈夫な気がしたから。
「さっきさ、偶然だったけど、君の体を抱きしめたとき、
ずっと抑えていた欲望が、俺の体の奥から湧き上がっていく気がしたんだ。
正直言ってめちゃくちゃ抱きたい。
このままホテルに直行して、抱き尽くしたい。
田口さんを、守りたいと思うのに……
また傷つけてしまいそうで……」
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