彼の行く先

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照りつける日差しは真夏の威力はなく、今日は空が高く澄んでいて、とっても気持ちのいいお天気だった。 そろそろ夏は終わるんだ……。 お弁当の玉子焼きを口に入れ、空を見上げながら、なんだか感傷的な気分になっていた。 森川くんにまだメールを書く事もできず、連絡先を表示しては消し、表示しては消し。 そんなことを何度繰り返したかな……。 「優奈、今日なんか元気ないけど、どうかした? あ、そういえば、昨日森川くんのお兄さんのお店に行ったんだよね?なんだった?」 横で理沙が私の顔を覗き込みながら言う。 私の迷いは、理沙にもすぐに気付かれてしまった。 「ねぇ、理沙。イタリア行ったことある?」
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