彼の行く先

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「とりあえず、メールだけでも書こうかと思ってるんだけどさ。 何を書いたらいいのか」 「なんだ、メアド知ってるんだったら、どういうつもり?って聞けばいいだけじゃない」 理沙は、いとも簡単に言う。 「そうなんだよね。わかってるんだけど……」 「あー。もー。優奈も森川くんも、すっきりしなくてもやもやする! 森川くんのこと好きなの? そうでもないの? 一緒に居たいの? 居たくないの?」 「一緒に、居たいよ。だけど……」 「だけど……とかグチャグチャ言う前に、メールする!」 今すぐ! と言う理沙に急かされ、私はスマホを取り出した。 何度も眺めては消した森川くんのアドレス。 調べた時差は7時間で、 今イタリアは、明け方の5時過ぎ。
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