翼の折れたコンドル(後編)

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3 事件は、それから1週間後の10月10日に発生したのでありました。 場所は、ふみかが通っている高松市内の中学校でありました。 時刻は確か、お昼休みが終わりまして午後の授業が始まってから10分後のことでありました。 ふみかがいるクラスは、となりのクラスと同じ体育の授業がありましたので外で球技をしていました。 その時でありましたが、恐ろしい覆面をかぶった男がふみかがいるクラスの教室に忍び込んで来たのでありました。 ふみかがいるクラスの教室は女子生徒の着替えに使っていましたので、覆面をかぶった男は、ふみかのクラスの女子生徒のカバンの中身をあさりまして、中から着替え用の下着をあさっていたのでありました。 覆面の男は、7~8人の女子生徒の下着を盗んだ後に授業が終わるまでに教室から逃げ出したのでありました。 そして、五時間目の授業が終わった頃でありました。 ふみかがいるクラスの教室にて… 女子生徒たちが着替えようとしていた時に、ひとりの女子生徒がカバンを開けられていたことに気がつきまして、中身を調べていた時に、着替え用の下着がなくなっていることに気がついたのでありました。 「ああ!!」 「どうしたのよ!?」 「たいへん…着替え用の下着がなくなっているわ!!」 「ええ、どういうわけなのよ!!」 「ヤダ…オキニの下着だったのよ…どうしてなの…」 そんな時に、複数の女子生徒たちが下着を盗まれたと言いまして叫んでいたのでありました。 「ああ、ヤダ…アタシもやられてしまった…」 「ああ、アタシも…」 この時、教室内が大パニックにおちいってしまったのでありました。 女子生徒たちの下着を盗んだ覆面をかぶった男は、こともあろうにもとひこでありました。 もとひこは、現場から800メートル離れた公園にあります身障者用のトイレに隠れて、盗んだ下着を別のカバンに詰め替えた後に、周囲の様子をうかがった後にトイレを出て公園から逃げ出したのでありました。 しかし折りが悪いことに、事件の一部始終を永池がスマホを使いまして動画の隠し撮りをしていましたが、もとひこは全く危機感はなく、足早に走って行ったのでありました。
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