黒いマタニティドレス

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こうじの両親は、ひさこの結婚相手の条件は年収が1000万円以上で、有名大学卒業で、職業は医師か弁護士か大学の教授か政府機関の職員か政治家の家のオンゾウシで、ムコヨウシと言う条件を設定しましてコンカツをしていました。 しかし、こうじの両親が求めている結婚相手がなかなか見つかりませんでしたので、早くも大パニックにおちいってしまったために、条件をより低くしまして仕切り直しをしました。 こうじの両親は、年収か低くてもお嫁さんを食べさせて行くことが出来る分があれば学歴も職業もこだわらないと言うことで相手を探し直したのに、相手側が一方的に断って来ることばかりが続いていましたので、ひさこは結婚することをあきらめてしまったのでありました。 こうじの兄は、ラサールの受験をあきらめた後に光市内の公立中学校に進学をしましたが、受験勉強がイヤになってしまいましたので、中卒後に実家を出て広島市内にあります白衣の卸し問屋で丁椎(でっち)奉公をしていました。 その間にも、高校に行けるチャンスがたくさんありましたが、こうじの兄は『高校の勉強が分かないから高校に行きません!!』と言いまして、周囲の人たちからの提案を全部けりましたので、高校に行くことができませんでした。 こうじの兄が18歳の時に、父親が友人のクレジットの保証人になっていたのと同時に勤務先の工場が閉鎖されたと母親からの知らせを聞いた時に、光市へ引き返すことになりましたが、高校卒業の資格がないことと免許がないことなどで、ネックになっていましたので、頭が大混乱を起こしてしまったのでありました。 こうじの兄は、急いで高校卒業認定試験を受けて高校卒業の資格を間に合わせて光市へ引き返したのでありました。 こうじの兄は、光市に帰った後は母親の知人夫婦のコネで市役所に就職をしたのでありました。
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