第二章 再び決意

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『新見......』 ん? 『新見......』 この声は芹沢さん? 俺は過去に戻ったのか? 俺は瞼をゆっくり開けた。 「新見、漸く気づいたか。」 声のする方を見ると、俺の枕元の隣に芹沢さんが座っていた。 手には濡れている手拭いを持っていた。 それで俺の意識が戻るまで待っていてくれたのか。 ギラリと鋭い眼光で大男の芹沢鴨。 「せ、芹沢さん、此所は?」 嗄れた声で芹沢さんに言った。 「声が嗄れておるな。 ふぅ、此所は壬生浪士組の屯所だ。」 芹沢さんは俺の額に湿った手拭いを置きながら言った。 「江戸からの長い道のりに過労が溜まっていたのだろう。 京に着いた瞬間倒れたのだ。」 そうか。 神さんはこの設定で俺を生き返らしたのか。 だとすると今は文久三年の2月か? 「新見。」 芹沢さんの呼びかけに視線を芹沢さんに合わせた。 「何故無茶をした。 一言俺に言えばよかったのだ。 一言言えば倒れる事もなかっただろう。」 心配した顔の芹沢さんがいた。
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