第二章 再び決意

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かれこれ一時間経過した。 「新見。そろそろ体調も良いようだし、大広間に行かないか?」 「大広間?」 「ああ。近藤達も平山達も宴の準備をしているぞ!」 少し気だるい体を無理矢理起こし、芹沢さんを見る。 「そうですね。 腹も空きましたし、胃に優しい軽いモノを食べたいです。」 俺はゆっくりと足に力を入れて立ち上がる。 「ゆっくりで良い。 宴の時間はこれからだ。」 「はい。」 ガヤガヤ 「近藤さんそれはあっちです。」 「ああ。ここで良いんだな?」 「はい。そうです。」 ガヤガヤ 「平助!これはこっちだろうが!!」 「うるさいな、分かってるよ!」 ガヤガヤ 大広間に近づくうちに賑やかな声がしだす。 「騒がしいな。」 「ふん。無理もない。 漸く俺等の名をあげる時がきたんだ。 皆喜びに満ちているのだろう。」 京都守護職。 確かに今は喜びに慕っててもいい。 だがのちにその重さに耐えられなくなる時がくる。 俺は部屋の襖に手を置き考えこむ。 「新見。中に入るぞ。 どうした?ボーっとしているぞ。」 「いえ、大丈夫ですよ。」 芹沢さんの声に我に戻り、部屋の襖を開けた。
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