第二章 再び決意

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芹沢さんとその部屋に入る。 皆中央に集まり宴の準備をしていた。 土台を置く者。 料理を並べる者。 酒を運ぶ者。 「新見さん。」 すると話し掛けってきたのは、 「もう大丈夫なんですか?新見さん。」 沖田総司。 両手に甘菓子を大量に抱えながら俺を見ていた。 沖田は女性と見紛う程美しい青年。 19歳で天然理心流、免許皆伝を持つ。 いわば剣の天性を持つ人物だ。 「ああ、もう平気だ。」 「それはよかったです。 あ、芹沢さんと新見さんの席は近藤さんの隣です。」 沖田が視線で差しながら言う。 奥の正面には、三人の男が座っていた。 左から山南敬介。土方歳三。近藤勇。 山南は眼鏡を掛け、仏のように優しい風格。 年は30歳。 27歳の土方はスラリとした長身、鋭い切れ長の目は端正な顔立ちを際立たせ、漆黒の髪を下の方で緩く結っていてなかなかの色男である。 近藤は厳しい顔をした風格だが、この男は誰よりもお人好しだ。 土方より一つ上の28歳。 芹沢さんと俺も三人に並んで腰を下ろす。
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