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元々、珠たち三姉妹はもっと街の中心部でベーカリーショップを営んでいました。
その時、ベーカリーショップの看板娘として、レジに立っていたのは珠でした。
可憐な笑顔に美しい緋色の長い髪。街で評判のいい女。近隣の男たちはこぞってパンを買いに行きました。
繁盛して珠は喜んでいました。2人の姉も。しかし、近隣の男たちの妻がそれをよしとしませんでした。
いきなり「うちの旦那をたぶらかしてるのはどいつだ」と店に怒鳴り込んでくる奥方もいました。
《もう、絶対にあのベーカリーショップでは買うな》
赤の国の妻たちは各々旦那にキツく言い含め、それからは全くパンが売れなくなりました。
そして三姉妹は町外れに店を移しました。それから珠は変わりました。わざと乱暴な言葉づかいをして、赤の国の男たちの恋愛対象から外れるように努めました。
赤の国の女は情に厚く、燃えさかる炎のように嫉妬深かったのです。
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