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余談。
お化け屋敷のお化けって、本物より怖いよねー。
本筋。
「次は観覧車乗りたいな」
「オーケー」
((あかん!観覧車はあかん!密室!あかん!おい、与一郎!乗るぞ))
えー。
はためから見たらひとりで観覧車。
はためからじゃなくてもオッサンと二人で観覧車ってどうよ…。
「次の方、どうぞー(くすくす)」
・・・。
聞こえたぞ、心の声が。
そんな能力は持ってないけどたしかに聞こえた。
((うぎゃー!わーーーー、キャー!!))
なんだなんだ?キスでもしたか?
「どうしました?」
((高い、高いよーー))
そうだ、高所恐怖症とかいってましたね、お父様。
お化けにも怖いものってあるんですね。
結局、僕らのゴンドラから見える範囲では、何事(キスとか)もなく、その後も終始和やかなムードで終えました。
帰りのタクシー。もうすぐおうち。
夕食を園内のレストランで済ませてくれた事がせめてもの救い。
これで高級レストランなんて行かれた日には破産ですよ。
「いやー、彼氏さん、いい人でしたね~。イケメンですし」
携帯を構えて電話してるふりで話します。
((・・・あやしい))
「いやいや、携帯かまえてるんで大丈夫だと思うんですけど」
((・・・違う。あの男、あやしい))
「ああ、そっちですか。僕にはいい人にしか見えませんでしたけど?」
((これはデートだよ?君ならこの後どうするね?))
「家まで送り届けて、次のデートの約束をする、ですか?」
((違う。年頃の男女がしそうなことが他にあるだろう))
「そうですね…、ホテルでも行きますかね」
あまり、デートというのをしたことはないが、そんな感じ?
((ぬあーーー(怒)))
「わー、違いましたか。すみません」
((いや、その通りだ。私ならそうする。仮にそうしないとしてもだ、観覧車でキスくらいはするだろう))
「キスくらいなら、車の中でしてるかもしれませんよ」
((ぬ・・・))
「まあ、いいじゃないですか。きっと大事にする人なんですよ、そういうの」
もういいじゃないですか。納得してくださいよ、疲れたし…。
((…どうもそうとは思えんのだ))
…そうなんですかね?
「じゃあどうします?」
((もう少しお付き合いねがえませぬか))
ええー…
((でなければ、毎晩『ザキ』を唱えるぞ))
「いや、効かないですよ」
((効かなくとも毎晩唱えるぞ。うるさいぞ~))
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