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「与一の旦那、なんかごめんな。春乃さん、怒ってた」
「ポン吉が謝る事ないよ」
「でも、呼びに行ったら、春乃さん、血相かえてたぞ?」
「そっか…」
「最後なんて、泣きながら笑ってたし」
「最後?」
「見送りした時、涙拭きながら笑顔でおいらにありがとう、って」
ふむ。
安心した、って事かな?
「なんで泣きながら笑うんだ?やっぱ、人間ってわかんねーな、おいらには」
「僕にもわからないさ。でも、ポン吉にはありがとうって気持ちだったんじゃないかな」
「ふーん」
「僕からも、ありがとう」
「気にするな。当然だ。旦那さんは一人じゃだめだからな」
そうだね。
僕はひとりじゃだめだ。
いつも、春乃たちやポン吉。
そして、普通の人たちには得られない仲間たち。
骨董品のみんなにも支えてもらってる。
幸せ者だな、僕は。
そんなことを噛みしめながら眠りについた夜でした。
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