18話。《風邪ひいちゃった》

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― 出納帳 ― 今回の出入り。 ・ミミズとどんぐり ポン吉からの差し入れ ・おかゆ 春乃からの差し入れ ミミズとどんぐり、どうしたかって? あの後、実は、妖狐のヨーコさんがふらっと現れました。 かすかな妖気を感じるとかで、僕の所に来たそうです。 そしたらなんと、僕の背中に小さいながらも黒いカゲが。 背中にいたから僕には見えなかったんですね。 で、ペロッと一口。 するとまぁ、なんということでしょう…。 僕の体調はすっかり良くなりました。 ミミズとどんぐりは、元気になった僕には必要ないってことで、ポン吉が、お礼としてヨーコさんに差し出していました。 ヨーコさんも、デザートまでいただいて、と大喜び。 ポン吉、気が利くは利くんだよね、本当に。 ただ、人間に対しては、手法に難があるというか…。 ってことで、翌日。 春乃にはもう大丈夫って言ったんだけど、あんな高熱を出したんだから一応診てもらって、という事で一応病院へ。 こういう時の春乃には従うのが一番。 で、問題なく、帰宅。 骨董堂の再開です! そうそう。店を開く準備してたら、壺の坪井さんがこんなこと言ってたっけ。 昨日、僕が眠った後に、一番騒いでいたのは親父殿だったとの事。 しっかりしろ、だの、だらしない、だの、しゃんとしろ、だの、言葉は荒かったらしいけど、その騒ぎを聞いて、ポン吉も僕の具合に気づいたみたい。 最終的に春乃を呼んだのも、しびれを切らした親父のアドバイスだったそうな。 坪井さんは、親父には言うなって僕に口止めしてたけど、大丈夫。言いません。 うちのへそ曲がりは、そんなこと言ったものなら、照れてさらにへそ曲げちゃうからね。 ま、でも、ありがとう、お父さん。 そして、坪井さんも、ね。 全快、全快!
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