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12月。
天気に恵まれたとある日。
時刻は正午過ぎ。
店の前には、2体のタヌキの置物。
「ねえ、ポン吉。何してるの?」
一体は本物の有田焼の置物。
もう一体は変化したポン吉。
朝からずっとこうしてる…。
「人間観察」
ほう…。
「それで、なにかわかった?」
「うーん。人間って不思議だよね~」
「何が?」
「そうねぇ…」
おっとお客さん。
「いらっしゃいませ~」
置物と話しているところを見られるわけにはいかないからね。
話は中断。
・・・
「ありがとうございました~」
午後3時。
ポン吉はまだ人間観察。
「まだやってるの?」
「うん」
「ふーん…」
よっこいしょ、と、ポン吉の隣に椅子を置き、腰かける。
「旦那?」
「今日は天気がいいからね。僕も日向ぼっこする事にしたよ」
「ほえ~。お暇ですなぁ」
「・・・。」
朝からこうしている君に言われたくはないよね。
と言っている間に、数人の人が通り抜ける。
あまり、この通りは人通りが多くはない。
それでも、昼を過ぎると、買い物に向かうであろう主婦や、訪問営業にひた走るサラリーマン。学校帰りの中高生などがちらほら通りかかる。
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