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本日も我が骨董堂は平穏平和。
穏やかな時間が流れております。
「すみません~!こんにちは!」
いつからか、明るめの“すみません”になった、坪井の御嬢さんこと、美代子さん。
「こんにちは」
ここ最近、るんるんで訪れる。
「今日もご機嫌ですね」
「あら、そうですか?すみません、お恥ずかしい」
なにがすみませんなのか、は相変わらず。
「壺を見にいらしたのですか?」
美代子さんのお父さんは、数年前に他界。
でも、一人娘の美代子さんが心配で、美代子さんからもらったという壺に憑りつき、彼女の行く末を見守っています。
その壺は今うちで預かっており、美代子さんは、お父さんが憑いているとは知らずながらも、壺に話しかけるとお父さんと話しているみたいで落ち着く、と、週に何回か店を訪れます。
「ええ。そうなんですが…その前に」
と、嬉しそうに差し出すのは駅前のケーキ屋さんの紙製の箱。
「新作、入ったみたいでして」
お菓子が大好きな美代子さんは新作のスイーツが入ると、持参する。
僕も甘党なので、テイスティングをしながら、あーだこーだ語るのがここ最近のルーティン。
「じゃあ、お上がりください」
といって、居間へご案内。
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