episode169 壊れたハート②

26/30
前へ
/30ページ
次へ
考えるより先に 身体が答えていた。 キスに応じるように 弟の方へ身を屈め 俺は思わず目を閉じた。 「嬉しい……」 和樹の指が ゆっくりと俺の顎先を撫でる。 その指はすぐ 柔らかなタッチで唇をなぞって。 「開けて。僕を受け入れて――」 催眠術のように 無防備に 俺の口を開かせる。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

250人が本棚に入れています
本棚に追加