episode169 壊れたハート②

13/30
前へ
/30ページ
次へ
覗くつもりなんてなかった。 といったって 他に見るものなんてないから。 おのずと視線は 絡み合う二つの人影に釘づけになってしまう。 ネックレスを握りしめたまま 俺は固唾をのんでその様子を凝視していた。 誘い込む赤い唇に 徐々に飲みこまれてゆく貴公子の舌が 「ンッ……ハァッ……」 猥らにも細い喉を穢すように 奥深く差し込まれる様子まで じっくりと――。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

250人が本棚に入れています
本棚に追加