episode169 壊れたハート②

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「どうして君はこう――」 幼い顔して 男を次々手玉にとる。 生まれもっての悪癖。 詐欺師まがいの淫乱。 そのとおりだ。 「一番の問題は和樹――君にはいっさい何の罪もないと思えることだ」 ぶつけどころのない苛立ちに 九条敬は握った拳を己の口元に押し当てた。 欲望と理性の狭間で揺れている。 「君が呼べばいつでも迎えに行く。君が僕を呼べば――」 ひとまず 理性が勝ったみたいだ。 九条敬は最後に 後ろからそっと和樹の髪に口づけ去って行った。
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