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「これ」
俺は咄嗟に掌を開いた。
握りしめていたネックレスが
指先からぶら下がり。
「階段で拾った。おまえのだろ」
「あ」
大きなダイヤ粒が
キラリ陽光にきらめいた。
「留め具が壊れてる?」
「いいや」
「じゃあどうして落したんだろう?」
考えもしなかった。
それでもニヤリと綻ぶ
毒気を含んだ赤い唇を見た途端――。
「おまえっ……!」
思い至る。
わざとだと――。
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