250人が本棚に入れています
本棚に追加
「でもさ」
座るにも邪魔になる
ワンピースの大きなリボンを持ち上げて
「よくあの倒錯者たちが『うん』と言ったはね」
「倒錯者たち?」
「決まってるじゃない。あれにとち狂ったお兄様方のことよ」
貴恵は器用に俺の隣に並んだ。
「一人はあんたの旦那だけどな」
「お黙り、皮肉屋。私は気分がいいの。今すぐシャンパンでも開けたいほど」
両手を握りしめ
満面の笑みで吐き捨てる。
「乾杯する相手が、白けた顔した根暗の弟でなきゃね」
ったく――。
皮肉屋はどっちだっつーの。
最初のコメントを投稿しよう!