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手の中のダイヤを
愛おしげに眺める黒い眼は
相変わらず屈折しているものの
すっかり正気を取り戻しているように見えた。
「それで?俺に何の用だ?」
「何の用かって?」
すべてお見通しと
言わんばかりに。
「用があるのはあなたの方じゃなくて?」
赤い唇がほくそえむ。
「俺が……お前に……何の用があるって言うんだ!」
強気な言葉とは裏腹
快感を忘れていない身体が
見つめられるだけでゾクリと震えた。
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