episode169 壊れたハート②

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手の中のダイヤを 愛おしげに眺める黒い眼は 相変わらず屈折しているものの すっかり正気を取り戻しているように見えた。 「それで?俺に何の用だ?」 「何の用かって?」 すべてお見通しと 言わんばかりに。 「用があるのはあなたの方じゃなくて?」 赤い唇がほくそえむ。 「俺が……お前に……何の用があるって言うんだ!」 強気な言葉とは裏腹 快感を忘れていない身体が 見つめられるだけでゾクリと震えた。
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