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あとは互いに
引きずり込むように物陰へ――。
「ねえ薫お兄様、僕がアメリカへ行ったら寂しい?」
俺の服を脱がしにかかりながら
和樹は無邪気に聞いた。
「いや……」
俺の方も
素直に首を横に振ったが
この状況じゃ――。
「呆れた!分かったよ。薫お兄様に彼女がいないわけ」
言われても仕方ないか。
「こんなに綺麗な男が一人身なのは冷たいからだね」
剥き出しにされた肌が
突然外気に触れ震える。
「そうさ、雪みたいに白くて――氷みたいに冷たいから」
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