episode169 壊れたハート②

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あとは互いに 引きずり込むように物陰へ――。 「ねえ薫お兄様、僕がアメリカへ行ったら寂しい?」 俺の服を脱がしにかかりながら 和樹は無邪気に聞いた。 「いや……」 俺の方も 素直に首を横に振ったが この状況じゃ――。 「呆れた!分かったよ。薫お兄様に彼女がいないわけ」 言われても仕方ないか。 「こんなに綺麗な男が一人身なのは冷たいからだね」 剥き出しにされた肌が 突然外気に触れ震える。 「そうさ、雪みたいに白くて――氷みたいに冷たいから」
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