第三話 オネエ妖怪が僕っ子をプロデュース

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なんだかエライことになっちゃった。 でも、翼とお祭り、行きたい。 僕は勇気を出してみることにした。 「えっ?お祭り?」 翼が僕を見た。 僕は顔から火が出そう。 「う、うん。よかったら一緒に。」 「ちょうど良かった。俺も誘おうと思ってたところ。」 「えっ?」 僕はドキンと心臓がなった。 「日向と日向子がさ、一緒に行こうってさ。みなみも誘うように言われてたんだ」 なんだ、そういうことか。 やっぱ友達以上にはなれないのかな、僕。 「うん!大勢のほうが楽しいしね!」 僕は努めて明るい顔で言った。 「じゃ、決まり。当日、あの神社に集合な。時間はまたあとで知らせる。」 翼、僕は二人で行きたかったんだ。 でも、そんなこと、いえる筈が無い。 学校の帰り道、やはりあの場所であいつは待っていた。 「ホント、チキンね、アンタって娘は。」 「仕方ないじゃん。もう決まってたんだから。」 「それでも、二人っきりで行きたいって言えばいいじゃん。」 「そ、そんな。言えないよ・・・・。 ところで、まだこの道にいるじゃん。場所変えるんじゃなかったの?」 僕は話をはぐらかした。 「アンタのこと、見てられないじゃん。しばらく見届けることにしたのよ。 私もおせっかいな妖怪よねえ。」 タバコの煙をふうっと吐いた。 余計なお世話なんですけど。
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