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僕は竹中みなみ。
一応女子高生。
僕には兄弟が居て、上に二人の兄、下に一人の弟、 計4人の中で唯一の女の子。
でも、全員が自分のことを僕というから、自然と僕も一人称は「僕」となった。
親は割とおおらかな親で、別にそのことで咎められたり、矯正されることもなかったので、僕はいまだに僕であり、良い友達にも恵まれ、そのことでからかわれたりすることはなかった。
髪の毛も、兄弟と僕4人が並べられて、一気にお風呂場で散髪されてたりして、常にショートカットだった。
だから僕はよく男の子と間違われたのだ。
中学の時など、見知らぬ女の子から告白されたこともあった。
僕は現在高校2年生。
今、僕は恋をしている。
もちろん相手は男の子だ。
彼の名前は、浅野 翼。同級生だ。
きっかけは、仲の良い友人4人で夏休みに、川原に行った時のことだった。
僕と翼、春日 日向(ひなた)大和 日向子(ひなこ)の4人は同じクラスで仲良し4人グループだ。僕らは夏休みの思い出に、川原でバーベキューをしようということになった。
僕と日向子は、調理係。翼と日向は釣りで獲物をゲットする係りだ。男子たちの釣果はさんざん。あらかじめ持ってきておいたお肉や野菜などの食材でのバーベキューを余儀なくされた。
飲み物はクーラーボックスなど無かったので、川原で直接冷やしていたので、僕は、それを引き上げようと川に入って行った。
ところが、その時、急に眩暈を感じ、意識が朦朧となって、あやまって川の深みにハマって溺れてしまったのだ。
すぐに日向と、翼が飛び込んで助けてくれたのだが、日向はスポーツ万能にもかかわらず金槌で、翼が僕を助けてくれたのだ。
その時、初めてお姫様だっこというものを、体験した。
翼はどちらかというと、軽いタイプで、僕はそれまではちょっと軽蔑していた。女の子と見れば、誰でも声をかけてちやほやする。
その日も、日向子にちょっかいをかけてるのを見てちょっと呆れていたのだ。
いつもナンパな翼が真剣な顔で僕をお姫様だっこして
「おい、みなみ、大丈夫か?」
と心底心配そうに言った時に、僕は恋に落ちてしまったのだ。
それまで僕は、翼のことなんて何とも思っていなかったのに、
今ではいちいち翼が何か言うたびにドキドキしちゃうのだ。
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