第二話 僕はその都市伝説の正体を知っている

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日向子は元気いっぱいで、明るくてかわいい。 誰にも同じように優しいし、スポーツも勉強もできる。 しかも空手道場に通ってて、そこいらの男よりずっと強い。 僕はと言えば、チビで痩せっぽちで、胸なんてほとんど無い。 髪の毛もショートカットでまるで男の子みたいで、 しかも自分のことを僕って言っているし。 とてもかなわないよ。 僕がそんなことをウジウジ考えていると翼が僕の肩を抱いて 「昨日、大丈夫だったか?なんか変な噂があるみたいだから。まあ途中まで日向子と一緒だから百人力だけどね。」 と顔を覗き込んできた。 「百人力って誰のことよ!」 後ろから翼は日向子のカバンでポンと叩かれた。 そんなに優しくしないでよ。 僕、諦めきれなくなるよ。 「また、やろうぜ、ゲーム。土曜日、俺んち集合な!」 そう言って自分の席についた。 別に断る理由もないけど。きっとまた、日向子たちも呼ぶよね。 僕は一人で切なくなった。 僕は部活の片付けで少し遅くなってしまい、下校するころには、とっぷり日が暮れていた。 僕はまたあの道を通って帰らなければならない。 他に回り道が無いのだ。 薄暗い夜道の昨日と同じ場所にやはり、それは立っていた。 見えているけど、あえて僕は無視を決めることにした。 「今お帰り?今日は随分と遅いわね。」 ちっ、話しかけてきた。無視だ、無視。 「あら、生意気に無視?」 僕はプチっと何かが切れた。 「当たり前じゃないの。昨日首を舐めてきたオネエの妖怪なんか、用なんてあるはずがない!」 「あれは事故よ。私だって選ぶ権利あるわあ。」 ムカツク、ムカツク、ムカツク~。 何でこんなオネエ妖怪にバカにされなきゃなんないのよ! ずんずんと僕は進む。 するとオネエ妖怪がついてきた。 「なんか、今日のアンタ荒れてるわねえ。何かあったの?」 「妖怪には関係ないよ。」 「まあ、失礼ねえ。」 そんな会話をしていたら、神社のほうから、日向子と翼が出てきた。 僕は何故か声を掛けられずに、足を止めてしまった。 僕はじっと二人を見つめるだけだった。 二人で神社で会ってたの? 僕の胸がチクリとまた痛んだ。 すると、後から日向も出てきた。 なんだ、二人っきりで会ってたわけじゃないんだ。 そう思うと、ほっとした。
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