悪夢、再び

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爆煙を目眩ましにして、俺は騎体を上昇させる。超機動に兵装アームが軋む。スマートカノンを支持するサブアームだ。 「のがあぁぁぁっ!」狂戦士の雄叫び。爆発もへったくれもない。無理矢理間合いを詰め、折れかけのトライデントを繰り出す。自壊覚悟の特攻。 ベイル越しに槍がひしゃげるのが判った。そのまま肩ごと体当たり。視界が白く霞む。衝撃に脳が揺れる。 「くそったれ!」もつれた騎体が弧を描く。互いの加速が重なりあって制御不能の上昇力を生んでいるのだ。俺はスロットルを弛めない。上を取った方が圧倒的に有利だからだ。
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