1721人が本棚に入れています
本棚に追加
爆煙を目眩ましにして、俺は騎体を上昇させる。超機動に兵装アームが軋む。スマートカノンを支持するサブアームだ。
「のがあぁぁぁっ!」狂戦士の雄叫び。爆発もへったくれもない。無理矢理間合いを詰め、折れかけのトライデントを繰り出す。自壊覚悟の特攻。
ベイル越しに槍がひしゃげるのが判った。そのまま肩ごと体当たり。視界が白く霞む。衝撃に脳が揺れる。
「くそったれ!」もつれた騎体が弧を描く。互いの加速が重なりあって制御不能の上昇力を生んでいるのだ。俺はスロットルを弛めない。上を取った方が圧倒的に有利だからだ。
最初のコメントを投稿しよう!