悪夢、再び

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引き裂けた装甲が宙を舞う。鎌と剣が軋んだ。「シネい!」死神ビショップの声が重なる。死角に潜んでいたのだ。だが――! 後ろからの衝撃。カプリコンの尾に吹き飛ばされたのだと気付くまで時間がかかった。自我の崩壊した狂戦士。周囲はすべて敵なのだ。 「ははははははっ!」歓喜。嗜虐の法悦。「ぬはははははっ!」破壊に酔った伯爵の声が響き渡る。哀れ。操り人形の悲哀。捨駒同然。 縺れたビショップから離脱し、俺は敵から距離を置く。睨み合いのトライアングル。それぞれが牽制し合う。「あのデカイのをなんとかしないとマズいぞ」悪魔王も息が荒い。たった数分。何度も死にかけているのだ。無理もない。
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