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たかがメイド。
されどメイド。
河北マリア、怖いもの知らず。
「春樹さ~ん」
シャワーを浴びている俺に叫ぶ。
「バスタオルは今治タオルでいいですか」
「なんでも構わん!!さっさと置いておけ」
俺はやけくそだった。
これから毎日マリアと一緒なのか。
シャワーを浴びて、今治タオルで体を拭き(いちいち気が付く女だな、マリアって)、軽くフランスのミネラルウオーターを開ける。
これは神戸尊からいただいた「癖」だった。
神戸尊に会うどころか。
マリアに振り回されて。
大河内春樹、どこか、おかしいぞ。
マリアはベッドメイキングを終えて。
「私はどこで眠ればいいんでしょうか」
などとほざく。
「いいよマリア、一緒に眠ろう」
「え」
「だってソファで眠ったら風邪ひくし、ベッドは一つしかないからな」
と俺は言って、マリアがベッドメイキングした、ウチの唯一のベッドに、マリアを誘った。
マリアは照れくさそうに、
「お言葉に甘えます」
と言い、
割烹着(アナスイの服の上に着ていた)を脱ぎ、アナスイの服も脱ぎ、素っ裸になった。
「マリア!!こら!!一応、男と女だぞ、結婚する前の」
「だから余計にです」
「へ」
「春樹さまの体に温めてもらいたいんです」
「バカだなあ、マリア。そんな事言われたら、その気になるじゃないか」
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