第2章 春樹の想い

3/7
前へ
/10ページ
次へ
たかがメイド。 されどメイド。 河北マリア、怖いもの知らず。 「春樹さ~ん」 シャワーを浴びている俺に叫ぶ。 「バスタオルは今治タオルでいいですか」 「なんでも構わん!!さっさと置いておけ」 俺はやけくそだった。 これから毎日マリアと一緒なのか。 シャワーを浴びて、今治タオルで体を拭き(いちいち気が付く女だな、マリアって)、軽くフランスのミネラルウオーターを開ける。 これは神戸尊からいただいた「癖」だった。 神戸尊に会うどころか。 マリアに振り回されて。 大河内春樹、どこか、おかしいぞ。 マリアはベッドメイキングを終えて。 「私はどこで眠ればいいんでしょうか」 などとほざく。 「いいよマリア、一緒に眠ろう」 「え」 「だってソファで眠ったら風邪ひくし、ベッドは一つしかないからな」 と俺は言って、マリアがベッドメイキングした、ウチの唯一のベッドに、マリアを誘った。 マリアは照れくさそうに、 「お言葉に甘えます」 と言い、 割烹着(アナスイの服の上に着ていた)を脱ぎ、アナスイの服も脱ぎ、素っ裸になった。 「マリア!!こら!!一応、男と女だぞ、結婚する前の」 「だから余計にです」 「へ」 「春樹さまの体に温めてもらいたいんです」 「バカだなあ、マリア。そんな事言われたら、その気になるじゃないか」
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加